SMARTCITY × TOKYO

令和3年度第1回東京都スマートシティ連絡会

実施結果レポート

東京都が推進を図る「スマート東京」の取り組みの一環として、スマートシティについての都内外自治体、民間企業等の将来的な横連携や取組拡大に つなげると共に、幅広い層のスマートシティへの関心を高めることを目的に、令和3年度第1回東京都スマートシティ連絡会を 開催いたしました。当日はWebinar形式で開催され、約400名超の方々にご参加いただき、大変盛大なイベントとなりました。

開催概要

日時

2021 年
12 月 20 日(月)13 : 30 〜 15 : 00

実施方法

ZOOM ウェビナー

プログラム概要

都内自治体の取組発表

日野市

「日野市のリビングラボの試行的な取組~“人間中心”のイノベーション~」

【登壇者】
日野市 企画経営課 地域戦略担当主幹 中平健二朗 氏
【内容】
以前から同市のまちづくりにおいて実施されていた対話重視のまちづくりの取組の考え方や、リビングラボを活用したヘルスケアやモビリティ等の実証に関する情報を共有いただき、多様なステークホルダーと連携したまちづくりのリアルな現場の話を伺いました。

渋谷区

「渋谷区のスマートシティ推進について」

【登壇者】
渋谷区 経営企画部 スマートシティ推進担当課長 加藤茜 氏
【内容】
2017年から取り組まれている行政のデジタル化の取組から、官民が連携して取り組まれている渋谷区のデータを活用した「課題の見える化」の取組として、ダッシュボードやデジタルツイン等の構築状況を共有いただき、渋谷区が全庁をあげて取り組むデジタル化の状況を伺いました。

東京都の取組発表

「東京都デジタルツイン実現プロジェクトについて」

【登壇者】
東京都デジタルサービス局戦略部デジタルシフト推進担当課長 清水直哉 氏同局デジタルサービス推進部オープンデータ推進担当課長 元島大輔 氏
【内容】
東京都のデジタルツイン事業として、国土交通省や都市整備局との関係をはじめ、今年度取組事項として有識者会議におけるロードマップ検討状況・専用Webサイト・3Dビューアや実証等の全体像について伺いました。

スタートアップの取組発表

「都市でのデジタルツイン活用」

【登壇者】
Symmetry Dimensions Inc. CEO/Founder 沼倉正吾 氏
【内容】
同社の「Symmetry Digital Twin Cloud」の概要をはじめ、静岡県伊豆山土砂災害時の取組や都内自治体と連携したまちづくり計画検討に関連する取組等、最先端の技術の活用方法ついて事例とあわせて共有いただき、今後のデジタルツインの可能性について伺いました。

  • 画面イメージ:「都市でのデジタルツイン活用」の取組発表の様子
  • 画面イメージ:「渋谷区スマートシティ推進事業について」の取組発表の様子
  • 画面イメージ:「日野市のリビングラボの試行的な取り組み」の取組発表の様子

質疑応答一覧

当日及び事後アンケートでいただいた質問への回答は以下の通りです。※いただいたご質問を事務局で整理し、登壇者よりご回答をいただいた内容となります

当日及び事後アンケートでいただいた質問への回答は以下の通りです。※いただいたご質問を事務局で整理し、登壇者よりご回答をいただいた内容となります

  • Q
    日野市のリビングラボにおける市の役割及び事務局の担い手は誰か。
    A
    平成27年度に日野市の地方創生(加速化交付金)の取組として「生活課題産業化」を掲げ、民間企業との地域課題とのマッチングを初めて依頼、日野市がその調整、事務局の役割を担っています。リビングラボというテーマについては、その延長線上の取組として2018年頃から試行的に取り組んでいるものです。持続的な活動としてこのような取組の普及を図るには、将来的には一つの行政組織だけでなく、複数の自治体や大学等の人材からなる「中間支援組織」がその機能を担い、ビジネスとして持続させていく事が望ましいと考えております。(日野市・中平氏)
  • Q
    渋谷区のダッシュボードの一般公開はされているか。
    A
    今年度公開予定のサイト内で、順次ダッシュボードの公開を予定しております。(渋谷区・加藤氏)
  • Q
    東京都の地下埋没物の3D化は現状のデータで3D化対応しているか。対応していない場合は、今後どのように対応する予定か。
    A
    今年度実証の目的の一つとして、現在の2D図面をベースにどれほど現実と差異が発生しているかの確認があります。実証結果を踏まえ今後の方針を検討していく予定です。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都のデジタルツインは、建設局での点群の取得制度や施工計画の検討時に利用されているか。
    A
    デジタルツインは今年度から次年度にかけて基盤を構築している段階であり、各局業務においてまだ利用されていません。業務での活用について協議を進めております。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都において、3Dデータのオープンソースとしての公開予定はあるか。
    A
    3Dデジタルマップ(3D都市モデル)は国土交通省のProjectPLATEAUとも連携しながらオープンデータとして公開しております。今後整備していく地域(複数年かけて都内全域を予定)においてもオープンデータ化は検討していく予定です。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都の3DマップフォーマットCityGMLからのコンバータの作成に向けて、具体的にどのような取組を行っているか。変換先フォーマットがあれば伺いたい。
    A
    3D都市モデルの活用促進のため、CityJSONが日本の開発者コミュニティでも普及するよう、CityGMLからCityJSONへの英語版コンバータ(citygml-tools)の日本語版マニュアルを作成し、GitHub「tokyo-digitaltwin」で2021年1月26日に公開しました。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    3D都市モデルの維持コストはどのように確保する想定か。
    A
    今年度、都市整備局にて都内のモデルエリアで3Dデジタルマップを整備し、運用スキームの検証を行っています。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都の地下埋設物の3D可視化において、どの程度の精度を予定しているのでしょうか。
    A
    地下埋設物の3D可視化による業務効率化は実証中であり、年度末を目途に別途結果報告させて頂く予定です。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都において、2030年までのデジタルツイン上での各自治体からの情報公開に向けて、どのようなスケジュールを想定しているか。
    A
    中長期スケジュール感については年度末を目途に別途報告するロードマップに記載していく予定です。他自治体や区市町村との連携は少し先となると想定しております。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    南大沢の3D都市モデルの整備主体はどこか。
    A
    東京都都市整備局と国土交通省とで協力し南大沢の「3D都市モデル(=3Dデータ)」を整備し、ProjectPLATEAUを介し公開しております。 (東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都のデジタルツイン上での土地や建物登記の情報の掲載予定はあるか。
    A
    不動産登記情報は、デジタル庁を中心にベースレジストリ整備の対象となっていると伺っています。現段階での搭載予定はございませんが、ベースレジストリとの連携の一環として検討していければと考えております。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都においてデータプラットフォームをどのようにマネタイズしているのか。
    A
    今回発表させていただいたデジタルツイン事業についてはデータプラットフォーム事業とは別事業となります。(事務局補足)
    東京データプラットフォーム事業とは関連しておりますが、デジタルツイン実現プロジェクトは別事業でありマネタイズを目指しておりません。とはいえ、費用対効果は検証の上事業を進めております。(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都のデジタルツインについて、他自治体や海外との連携はしているか。また、参考にしている事例はあるか。
    A
    昨年度、海外事例としてヘルシンキ市(フィンランド)やニューサウスウェールズ州(豪)の調査を行っております。今年度は有難いことに国内外より多数お声掛け頂いており、情報交換を中心に連携しております。具体的なデータやシステム間連携は次年度以降に検討を進めていく予定です。ご参考)R2年度事業概要P.6 海外のおける都市のデジタルツイン事例
    東京都3Dビジュアライゼーション実証プロジェクト(東京都・元島氏、清水氏)
  • Q
    東京都のデジタルツインの取組について、都内・地方自治体への横展開の予定有無及び横展開方法の想定はあるか。
    A
    次年度以降、他団体との連携検討を進めていく予定です。東京都事業の結果は基本全てオープンとする予定であり、各自治体に有効に活用頂くことも当方事業の目的であると考えております。(東京都・元島氏、清水氏)
    デジタルツイン以外にも、スマート東京の実現に向けて様々な取組を進めております。(事務局補足)
  • Q
    Symmetry Dimensions Inc.の取組において、どの程度のエリア規模であれば、災害時にドローンを活用し、1日で被災状況をデジタルツイン化を対応することが可能か。(伊豆山土砂災害での取組を例に)
    A
    現状では、それぞれの測量会社様等による3次元点群データの取得方法や座標系等が統一されていないため、これらの確認や変更処理の作業がどうしても発生してしまいます。このため、一概に「何km2なら何時間で処理できる」と言えない難しい状況です。弊社では、測量会社様や各自治体との実証実験を進めて、緊急災害時のデータ提出に関する手法やルールのガイドライン策定を行う予定です。( Symmetry Dimensions Inc. ・沼倉氏)